今回のテーマは『PFP』
パウンド・フォー・パウンドについてです。
格闘技ファンであれば、一度は聞いた事があるこの用語。
改めてその意味の解説から、
現在のPFPランカーまでご紹介していきたいと思います!
(2019年6月3日現在)
ページコンテンツ
ボクシングPFP(パウンドフォーパウンド)とは?
引用:https://twitter.com/ringmagazine
PFP(パウンド・フォー・パウンド)とは、
一言でいうならば、
「階級の別がなければ誰が一番強いのか?」
という事です。
元々は、拳聖シュガー・レイ・ロビンソンを
「全階級通じて最強のボクサー」と称える意味でこの「パウンド・フォー・パウンド」という言葉は作られました。
リング誌の初代編集長ナット・フライシャーによる造語です。
ヘビー級の選手と、ミニマム級の選手がリング上で相対する事はあり得ません。
そんな中で、
『仮に体重が同じになるとしたら、どちらが強いのか』
という事を図るものです。
つまりは机上の空論であり、言ってしまえばボクシングファンの妄想です。
とは言っても、「誰が一番強いんだ」という問いに対して、
あれこれ思惑を巡らすのはボクシングに限らず、
格闘技ファンとして楽しみの一つでもありますね。
ゆえに、人それぞれPFPランキングは異なります。
後述しますが、人によってはワシル・ロマチェンコが1位だとする人もいれば、
テレンス・クロフォードを推す人もいるわけです。
それぞれのPFPランキングの中で、
最も引用されるのが、
世界で最も権威あるボクシング雑誌
「リングマガジン」
世界で最も歴史が長く、且つ権威のあるボクシング雑誌です。
リングマガジン王座というのもありますね。
この前、那須川天心と試合をしたフロイド・メイウェザーも、
現役時代はPFP最強ボクサーとしてたたえられていました。
マニー・パッキャオも同様です。
リングマガジンのPFPランキング作成方法
では、実際に戦ったことのない選手を比べるPFPランキングを、
リングマガジンがどのように作成しているのか気になりますよね。
リングマガジンの編集委員会と、
各国のボクシング記者からなるランキング作成委員会の選考があります。
選考の基準は、
『試合の結果』
『試合パフォーマンス』
そして『どのような相手と戦ってきたか』が重要視されます。
多くの人の意見が反映されるという意味で、最も信用に足るPFPランキングといえますね。
では現在最新で発表されているリングマガジンのPFPランキングを見ていきましょう。
2019年最新のパウンドフォーパウンドランキング
現在リングマガジンが発表している最新のPFPランキングは以下の通りです。
簡単な選手の紹介とともに見ていきます。
(2019年6月3日現在で最新のランキング)
PFP圏外にダウン シーサケット・ソールンビサイ
引用:https://www.instagram.com/srisaket_official/
第8位にはドニー・ニエテスと同じ、スーパーフライ級の選手がランクインしました。
タイのシーサケット・ソールンビサイです。
この人は生まれがかなりの貧乏で、ごみ拾いの仕事をしながら
そこで見つけた残飯をあさって食べていた過去もあるとのこと。
タイではよく見る光景です。
そんな彼が、現在はDAZN契約のトップボクサーですから人生は分かりません。
複数階級制覇はせずに、ずいぶん長い間スーパーフライ級を主戦場としています。
この選手が初めてスーパーフライのベルトを腰に巻いたのは2013年の佐藤洋太戦でした。
日本人とは結構対戦回数も多く、
デビューは後楽園ホールで八重樫東を相手に戦っています。
初防衛戦も六島ジムの向井寛史選手。
王座奪取の約1年後、カルロス・クアドラスとの防衛戦で不運な負傷判定負けを喫してしまいます。
その後はWBCのアジアタイトルやシルバー王者のベルトを手に入れますが、
これではPFPランキングに入るだけの実績としては足りません。
彼がPFPランキング8位につけている理由は、
何と言ってもローマン・ゴンザレスを2度倒していることです。
1度目はかなり微妙な判定でしたが、
2度目は文句なしのKO勝ち。
あれだけ無敵状態だったロマゴンからダウンを2度奪取。
フィニッシュブローとなった右フックで、ロマゴンが大の字に沈みました。
あの瞬間は一つの時代が終わった感じがしましたね。
次戦は4月にファン・フランシスコ・エストラーダとの防衛戦が控えています。
エストラーダはメキシカンボクサーらしく攻防兼備の万能型。
対するシーサケットは押せ押せの攻撃偏重ボクサー。
軽量級ではありますが、KO決着の可能性が高い楽しみな1戦です。
PFP10位 ドニー・ニエテス
フィリピン出身の元4階級制覇王者。
最軽量のミニマムから、スーパーフライまでを制した選手です。
現在までの戦績は48戦42勝23KO1敗5分け。
PFPランカーの中では、最年長の36歳ですね。
年末に井岡一翔がこの選手と4階級制覇をかけて戦いましたが、
ニエテスの技巧とフィジカルの強さにやられました。
あの試合では両者に4階級制覇がかかっており、ドニー・ニエテスはあの試合の勝利で4階級制覇王者となりました。
しかし、既に王座は返還されています。
36歳のニエテス。
年に何試合も出来るという体ではないようで、
今後はビッグマッチに絞っていきたいという意向らしく、
その際の縛りとなるベルトを返上したみたいです。
となると今後の相手は同じスーパーフライのカリッド・ヤファイ、
シーサケット・ソールビンサイ、ヘルヴィン・アンカハス
なんかが候補となってきます。
そして、元PFPトップランカーのローマン・ゴンザレスも有力でしょう。
ベルトをわざわざ返上するなら、最も名前のある対ロマゴンを望んでいる可能性が高いですね。
彼が変わっているのは、その経歴。
元々は所属しているALAジムのスタッフだったらしいのですが、ボクシングの腕を見込まれプロ転向。
その選手が4階級制覇するとは、誰も思いもよらなかったでしょうね。
そしてそのジムで蛇の世話係だったらしく、今でも体に蛇を巻き付けて入場します。
PFP9位 マイキー・ガルシア
引用:https://www.instagram.com/teammikeygarcia/
今度同じくPFPランカーのエロール・スペンス・ジュニアと
ウェルター級タイトルを賭けて戦うのが、このマイキー・ガルシアです。
戦績は、40戦 39勝 30KO 1敗
文句なしの成績。
そしてフェザーからスーパーライトまでを制した4階級制覇王者。
現在、スーパーライト級からUターンしてライト級のWBC王座に就いています。
マイキー・ガルシアのボクシングを形容するならば、まさに教科書。
特にエイドリアン・ブローナーと対戦した時は、ブローナーの変則的なスタイルと相まって、
その正統派ぶりが際立ちました。メキシカンらしいです。
特にワンツーは本当にボクシングの教科書に載っていそうな綺麗さです。
スーパーライト級では、腹回りの肉が少し気になったマイキー・ガルシアですが、
これがウェルターになるとちょっときつくなってきそうですね。
ウェルターはマイキー・ガルシアには適正体重ではないとの声はよく聞かれます。
それが目に見える形となって表れたのが、
エロール・スペンスとの対戦に向けた記者会見の時。
明らかに違う2人の体格差。
公式発表で身長約10cm、リーチで8cmほど両者には開きがありました。
オッズを見ても、マイキー圧倒的不利。
ここで勝てれば正統派すぎていまいち爆発的人気をつかめていないマイキー・ガルシアの認知度も、
急上昇する事間違いなしでしたが、そう簡単にはいきませんでした。
エロール・スペンス・ジュニアとのタイトルマッチに勝利していれば、
『メイウェザー以来の無敗のまま5階級を制覇した選手』
として歴史に名を残す事が出来ただけに残念です。
PFP8位 ファン・フランシスコ・エストラーダ
・・・・現在執筆中・・・・
PFP7位 ゲンナジー・ゴロフキン
引用:https://www.instagram.com/gggboxing/
トリプルGの愛称で、長くミドル級王座に君臨したゲンナディ・ゴロフキンが第7位です。
今でこそサウル・アルバレスに敗れたことでタイトルホルダーではありませんが、
40戦38勝33KO1敗1分けの成績を誇り、WBAミドル級はなんと防衛回数19度にまで及びました。
間違いなく2000年代最強打者の一人です。
対戦相手が口をそろえて言うのが、ジャブの強烈さ。
ジャブが他の選手のストレート並だというのです。
それに加えて、ゴロフキンフックと呼ばれる手の甲が上を向いたフック
で多くの選手をマットに沈めました。
そんな彼も現在36歳。
ダニエル・ジェイコブス相手に勝ちはしましたが、
連続KO記録が途切れたこと、そして段々被弾が
多くなってきたことで、「ゴロフキンは衰えた」という声も多くなりました。
アルバレスに負けたことで、一つの時代に区切りがついたとともに、
ゴロフキンの今後も気になりますね。
彼はDAZNと6試合を契約しました。
1年に2試合のペースでこなしていくようで、
まだ引退の2文字はゴロフキンの頭にないようです。
同じDAZNと契約しているサウル・アルバレスとのラバーマッチも?
十分に考えられますね。
PFP6位 エロール・スペンス・ジュニア
引用:https://www.instagram.com/errolspencejr/
現在IBF世界ウェルター級のチャンピオン。
戦績は25勝21KO無敗。
2017年にケル・ブルックとのタイトルマッチを制し、
現在の地位についたスペンスジュニア。
ロンドン五輪にも出たオリンピアンです。
アマチュアエリートらしい、テクニカルなサウスポー。
ジャブからの左ボディストレートが美しく、
初防衛戦のレイモンド・ピーターソン戦ではそれが十二分に光っていました。
今はあまりその声も聞かれませんが、
一時はメイウェザーの後継者最有力候補とも呼ばれていました。
なんとメイウェザー現役時代にスパーリングでメイウェザーの目にあざをつけたという噂があります。
スパーリングでのパフォーマンスは証拠がないゆえ膨張して伝わってしまう事も常なのですが、
それを出来るであろう実力を持ち合わせているということです。
2017年は対ケル・ブルック戦の1試合のみ。しかも開催国はイギリスです。
2018年も2試合のみでした。
レイモンド・ピーターソンとカルロス・オカンポ相手に共にKOで終わらせましたが、
2019年は更にアメリカ国内でのお披露目を増やしていきたいところ。
そしてそれにふさわしい相手と、2019年3月16日(現地時間)拳を交えました。
当時PFPランキング7位だったマイキー・ガルシアです。
これはビッグネーム同士のビッグマッチ。
スペンスにとってはキャリア最大の敵。
スーパーライトでも若干重い印象を受けるマイキーなので、
ウェルターならばスペンス有利と騒がれていました。
結果はスペンスのワンサイド判定勝利。
当時PFP10位のエロール・スペンス・ジュニアが、
PFP7位マイキーガルシアを倒して5位に急浮上しました。
PFPランカー同士の1戦は、ランキングに大きく影響してくるので、
どの試合も大注目を浴びる1戦となります。
PFP5位 オレクサンドル・ウシク
引用:https://www.instagram.com/usykaa/
現在クルーザー級の4団体統一王者に君臨する
オレクサンドル・ウシクが第5位に入っています。
クルーザー級は、ヘビーより一つ下の階級。
かつては「アメリカ副大統領」と揶揄される階級でした。
つまり、誰も注目しないという事です。
しかしWBSSの開催により、
オレクサンドル・ウシクという4団体統一王者が誕生し、
現在注目度は急上昇しています。
オレクサンドル・ウシクはウクライナ出身のボクサー。
ウクライナと言えば今はワシル・ロマチェンコですが、
ウシクもロマチェンコに負けないテクニカルな選手です。
北京五輪の金メダリストで、
トレーナーはロマチェンコと同じアナトニー・ロマチェンコ。
ロマチェンコのお父さんですね。
現在まで戦績は16戦16勝12KO。
クルーザー離れしたスピードとテクニックを持っています。
特に、左のボディ打ちはロマチェンコとそっくりです。
クルーザーは今後も敵が出てこないではないのでしょうか?
それならば、一番面白いのがウシクのヘビー級転向。
タイソン・フューリー、デオンテイ・ワイルダー、
そしてアンソニー・ジョシュアとの4本柱が出来上がり、
ヘビー級が断然面白くなります。
現に、ウシクもジョシュアとの対戦を望んでいるみたいですね。
ウシクも体格と、現在の体を見てもヘビーへの転向は現実性が高いです。
PFP4位 井上尚弥
引用:https://www.instagram.com/naoyainoue_410/
第6位につけるのは、われらが日本の井上尚弥。
PFPランキング、しかも4位に日本人ボクサーがいるのは、本当に誇らしい事ですね。
アマチュア7冠を成し遂げて鳴り物入りでプロ入り。
現在まで17戦17勝15KOのパーフェクトレコードです。
スーパーフライ級では対戦を避けられ統一戦が敵わなかったですが、
バンタムに上げ、WBSSという最強決定トーナメントに参戦する事により、
その目的も叶えられようとしています。
ジェイミー・マクドネル、ファン・カルロス・パヤノへの圧勝で、
その実力は天井知らずの状態。
次戦はWBSS準決勝となる対エマニュエル・ロドリゲス戦です。
場所はボクシング大国イギリスのグラスゴー。
客観的に見ても井上の勝利が予想される試合ですが、
勝ち方によって井上の名声は更に上がります。
WBSS決勝は2019年末。
世界が日本人ボクサーに注目するのは今までにない事です。
PFP3位 "カネロ" サウル・アルバレス
引用:https://www.instagram.com/canelo/
現在、最もPFPを稼ぐ男サウル・アルバレスが第三位となりました。
現在までの戦績は54戦51勝35KO1敗2分け。
現在はミドル級を主戦場にしていますが、
スーパーウェルター、スーパーミドルも制した3階級制覇王者です。
現在も、ミドル級のWBAスーパー王座とWBCの統状態です。
負けは対メイウェザーの1戦のみ。
現在まだ28歳ながら、対戦相手は強豪だらけです。
それが彼をPFP3位たらしめている要因でしょう。
- シェーン・モズリー
- フロイド・メイウェザー
- ミゲル・コット
- アミール・カーン
上述の通りメイウェザーには負けてはいますが、
れ以外にはいこれらレジェンドと対戦し、勝利を収めています。
そして何よりゲンナディ・ゴロフキンとの2戦で、
彼に初めての黒星をつけたことです。
ゴロフキン以前、ドーピング問題や、
アルバレスは規定体重で戦わずいつもキャッチウェイトだと揶揄されていましたが、
この勝利によりネガティブな声を全て吹き飛ばすことができたと思います。
試合内容もお互いの手数の多い素晴らしい試合でした。
スーパーミドル級王者は対ロッキー・フィールディングを戦い、完勝。
取り合えずの3階級制覇といった感じで、今後の主戦場はあくまでもミドル級です。
そして次戦はダニエル・ジェイコブス。
これをクリアすれば、ミドル級の3団体統一王者です。
今後ボクシング中継のメインストリームとなるであろうストリーミング配信大手DAZNと、
大型契約を結んだこともあり、
サウル・アルバレスの商品価値は現在ボクシング界でトップを走ります。
人気階級ミドル級の頂点にいるアルバレス。
彼を止めるのは誰なのか?
今後に注目です!
PFP2位 テレンス・クロフォード
引用:https://www.instagram.com/tbudcrawford/
元スーパーライト級4団体統一王者。
バーナード・ホプキンス、ジャーメイン・テイラー以来の快挙でした。
現在までの戦績は34戦34勝25KO無敗。
左右どちらでも戦えるスイッチヒッターで、
どちらが得意という事もないかのように、
自由自在に切り替えてきます。
クロフォードが名をあげたのは、
WBOライト級を制した初防衛戦の対ユリオルキス・ガンボア戦ですね。
当時戦績が全く同じもの同士の戦いで、
且つ実力者同士だったので話題を集めました。
4回までガンボア有利の様相を呈していましたが、
5回にクロフォードの右フックがガンボアをぐらつかせます。
ガンボアはこれまでもダウン経験はあるのでもちこたえるかなと思いましたが、
それ以降クロフォードが左右スイッチを繰り返しガンボアを翻弄。
それ以降も何度かぐらつかせ、
9回に豪快な左でダイナミックにガンボアを倒すと、
最後は右で決めました。
それ以降は、そこまでビッグネームとの対戦はありませんでしたが、
次戦はアミール・カーン。
トップ戦線からしばらく離れたカーンですが、
スピードとテクニックのぶつかり合いになりそうです。
そしてウェルターでの統一戦も楽しみですね。
先日マイキー・ガルシアを倒したエロール・スペンス・ジュニアが
ウェルターでクロフォード打倒の最右翼になると思います。
クロフォードのみウェルター王者群でプロモートが違うので
統一戦も色々面倒だとは思いますが、是非実現させてほしいですね。
PFP1位 ワシル・ロマチェンコ
引用:https://www.instagram.com/lomachenkovasiliy/
堂々の第一位はハイテクの異名をとるワシル・ロマチェンコです。
日本の有識者も、ほとんどが彼をPFP一位に推しています。
何と言っても相手の隙を漏らさずついてくるオフェンス、
相手の死角に素早く入り込むフットワーク。
打たせずに打つ。
格闘技の究極ではないでしょうか。
K-1ファンとしては、MAX後期のジョルジオ・ペトロシアンを
思い出してしまいます。
初めはあまりの技術の高さに凄さがわからないという批評も付きましたが、
よりアグレッシブになりはじめたローマン・マルチネス戦から人気に火が付き始めました。
従来の精密機械っぷりと、アグレッシブさで、
相手が完全に退路をふさがれギブアップしてしまう「ロマチェンコ勝ち」という言葉も生まれたほどです。
それが咬ませ犬相手ならまだしも、
ニコラス・ウォータースやギレルモ・リゴンドーといった、
トップクラス相手に見せてくれるのが、ロマチェンコです。
「ホルヘが勝てなければ誰も勝てない」と村田諒太もいいましたが、
そのホルヘ・リナレス相手に2ラウンド目に肩を負傷しながらもKO勝利。
6回にプロ転向後初のダウンも喫しますが、
10回に得意の左ボディで沈めました。
今後、ロマチェンコはライトからスーパーフェザーに戻すという話も出ています。
ホルヘ戦でのダウン、そして格下ホセ・ペドロサをKOできなかったことが、
彼にライトは適正体重ではないと思わせたのでしょうか。
ただ、こうなると前々から期待されていた、
スーパーフェザーの悪童ガーボンタ・デービスとの戦いが現実味を帯びてきます。
さらに、先日エロール・スペンス・ジュニアに負けたマイキーガルシアとのライト級での戦いも見てみたいですね。
マイキーにとって体重の問題もないでしょうから、面白い勝負になりそうです。
ただ、現実的に「この選手ならロマチェンコに勝てる」という選手は存在しません。
仮に体重が全員同じになれば、勝敗のカギはテクニックになってきます。
現代ボクシング最高峰の技術を持つのは、間違いなくワシル・ロマチェンコその人です。
日本人ボクサーからは井上尚弥がPFPランキング入り
日本人でPFPランキングに入ってきたのは、
過去にも山中慎介や内山高志がいます。
しかし、彼らの知名度は日本国内に限るもので、
世界的な名声はそこまで、といった感じでした。
しかし、現在PFP6位にランクされる井上尚弥は違います。
ローマン・ゴンザレスの試合後インタビューで、
HBOのマックス・クレイマンが「Naoya Inoue」の名前を出しましたが、
リング上でのインタビューで日本人ファイターの名前が出るのは異例でした。
それくらい井上尚弥は名実ともに怪物だということです。
ダウン経験のないオマール・ナルバエスを完膚なきまでのリング上に沈め、
手こずるであろうと言われたジェイミー・マクドネル、ファン・カルロス・パヤノも、
まるで彼らが弱いんじゃないかと思えるくらいの圧勝でした。
実力、名声ともに日本史上最高であることは間違いないでしょう。
日本人歴代PFPでもあれば、完全に1位だと思います。
井上尚弥は現在バンタム級のトーナメントWBSSに参戦中で、
次戦は5月に英国グラスコーで対エマニュエル・ロドリゲス戦です。
イギリスはボクシング大国。
しかも井上は過去に英国のマクドネルを倒していますから、
イギリスファンの注目度は高いですよ。
ここでまた豪快な勝ち方が出来れば、注目度はうなぎのぼりでしょう。
ロドリゲス戦でのパフォーマンスでPFPランクが上がるか否かは分かりませんが、
WBSS優勝は間違いなくランクアップを見込めます。
バンタム級は開戦当時レイマート・ガバリョ以外のすべての王者が参戦していたので、5位か4位には食い込むのではないでしょうか。
日本人ボクサーがここまで世界的注目を集めるのは、実に誇らしい事です。
ひとまず、井上に関しては次戦5月のWBSS準決勝を楽しみに待ちましょう。
2019年最新PFP(パウンドフォーパウンド) まとめ
以上、PFPに関してまとめさせていただきました。
格闘技の本質は、誰が一番強いのかという事を決めるもの。
階級が違うから戦えないというのは、健全なスポーツでありながら、
格闘技に求める非日常性の欠如です。
だからこそ多くの人はPFPのようなランキングを作りたがるんですね。
ボクシングだけではなく、多くの格闘技でも作られています。
井上には今後どんどんランキングを上げていってもらいたいと思いますし、
ロマチェンコを1位の座から引きずり下ろすファイターも出てきてほしいです。
個人によって、メディアによってPFPランキングはそれぞれ異なるので、
色んなPFPランキングを見るのも様々な見方を勉強できるので楽しいですよ。
(この記事は2019年6月3日時点のランキングをもとに作られています)